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父母ヶ浜前のお店経営を通じて感じたこと。三豊市にUターンした今川亜由美さん(後編)

香川県三豊市でのさまざまな生き方を紹介する本企画。今回ご紹介するのは、三豊市でカフェやおみやげ店の経営に携わる今川亜由美さん。

前編では、「何もない町」と感じて飛び出した三豊に、長い時を経てUターンした過程を伺いました。

後編では、父母ヶ浜にある「KAKIGORI CAFÉひむろ」や「百歳書店」の経営を通して感じていることなどをお伺いします。

前編はこちら。
https://mitoyo-city.note.jp/n/n31a47e4a804a

※本記事は2021年11月30日に旧・週刊みとよ ほんまモンRadio!(Seesaaブログ)で紹介した記事を再編集したものです。

「ちちぶの会」通じて大好きになった父母ヶ浜

ー2015年、三豊市に戻られ、実家のスーパーの経理をしながら、「KAKIGORI CAFÉひむろ」も引き継がれたんですね。

亜由美さん:「ひむろ」を引き継いだ頃に、TV取材で取り上げられたこともあり、2015年のゴールデンウィーク頃から、暑い季節にはかき氷を楽しみにする方で行列ができるお店になりました。

手作りの練乳やシロップ、地域で育った季節の果物や食材を贅沢に盛り付けているかき氷が人気です。

仁尾産レモンのかき氷
中に水切りヨーグルトが入っていたり、それぞれに一工夫あるかき氷💓

そして、「ひむろ」に関わり始めてから、地元で父母ヶ浜の清掃を続けている「ちちぶの会」のことを知りました。

「ちちぶの会」は、1995年、父母ヶ浜の埋め立て計画が立ち上がった時に、今ある美しい自然を残したいという想いから、7名の有志の方を中心に始まった有志団体です。

父母ヶ浜の海岸線は結局、自然のまま残されることになりましたが、25年以上たつ今も「ちちぶの会」の清掃活動は続けられています。

最近は、毎月第一日曜日の早朝、多い日は100名近い方が清掃活動に参加し、ゴミのない父母ヶ浜の海岸を守り続けています。

毎月第一日曜の早朝に行われる海岸清掃の様子

※「ちちぶの会」の詳細は、三豊市観光交流局のHPをご覧ください。


1995年といえば、私が高校生の時代の頃、父母ヶ浜にそんな話があったことは全く知りませんでした。

2015年から「ひむろ」に関わるようになり、「ちちぶの会」がどのようにできたのか、そしてみなさんの清掃活動のおかげで、今もきれいな浜が残されているのだということを知りました。

ゴミのない父母ヶ浜の砂浜

ー2017年頃からは父母ヶ浜の写真が注目され、たくさんの人が父母ヶ浜にやってくるようになりましたね。

亜由美さん:「ちちぶの会」の方は、今、たくさんの人が父母ヶ浜に訪れて、写真を撮りながら楽しそうに過ごしている様子を見て、とても嬉しそうにされています。

私も、関われば関わるほど、父母ヶ浜が大好きになりましたし、この浜を守ってきた「ちちぶの会」の方たちのためにも何ができるだろうかと考え始めました。

「百歳書店」に込めた、地域への想い

ーそうして、新しい場所を作り始めることを考えはじめ、2021年にオープンした「百歳書店」へとつながっていくのですね!

亜由美さん:大好きな父母ヶ浜で何か始めたいなと思っていたところ、ありがたいご縁があり、土地を譲っていただけることになりました。

当時は、父母ヶ浜に訪れる人も今ほど多くなかったので、当初、この土地はゲストハウスをしようかと考えていました。

でも、契約に至るまでにたくさんの方が訪れるようになり、どんどん状況が変わっていきました。

そして、ゲストハウスよりも、大勢の方が気軽に立ち寄れるような場所を作っていく方がいいのではないかと、私の気持ちも変わっていきました。

ーその気持ちの変化が、気軽に立ち寄りやすい雰囲気のある「百歳書店」へとつながったのですね。

最初に店名の「百歳書店」を伺った時、父母ヶ浜に「書店?」とびっくりしました!改めて、店名の「百歳書店」に込めた想いをお聞かせください。

亜由美さん:本は販売していませんが、「書店」には2つの意味が込められています。

ひとつは、本を通して伝えたい想いを書く。

2つめは、物語を紡ぐです。

「ちちぶの会」の活動や想い、地域のみなさまのものづくりに対する想いなど、伝えたい想いを表現できるものが本であり、また、地域のみなさんやお客様など、それぞれ書いた想いが重なることで物語となっていきます。

2021年3月31日にオープンした「百歳書店」
店内には、店内の商品をつくっている生産者ごとに、1冊の文庫本サイズの本を設置。
ページをめくると、生産者が大切にしている想いや歴史が紹介されている。お客さんがメッセージを書くこともできる。

ー「百歳書店」を営業されてみて、反響はいかがですか?

亜由美さん:みなさまに喜んでいただけているのではないかなと思います。

お客様からよく本屋さんですかと聞かれますが、コンセプトをお話しするとメッセージを書いてくださったり、もっとこうした方が伝わりやすいですよと助言してくださったり。

人も、ものも、想いもすべてが温かさで満ちている気がします。

ー最後に、これからチャレンジしていきたいことをお聞かせください。

亜由美さん:百歳書店の横の敷地を使って、いつまでも父母ヶ浜が愛されて、いつまでも多世代の人が訪れるような幸せな風景のある場所づくりをしたいです。

ーありがとうございました!父母ヶ浜に、たくさんの人たちが集まり、そこでこの地で大切にされている想いが伝えられる場所が生まれていること、伺いながら一緒に嬉しくなりました!

百歳書店

住所:三豊市仁尾町仁尾乙2686-3
電話:0875-23-7177
営業時間:午後1時30分~夕方6時30分
定休日 :月曜・火曜
Facebookページ:こちら

KAKIGORI CAFE ひむろ

住所:三豊市仁尾町仁尾乙202
電話:0875-82-2101
営業時間:11:00~16:30(冬季)
定休日:火曜
Facebookページ:こちら

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