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粟島での暮らしを作品に。展覧会開催!

毎月第1、2金曜日に放送中!香川県三豊市の話題をご紹介している「週刊みとよほんまモンRadio!」。
8月11日の放送は、現在粟島に滞在中のアーティスト、田中彰さん、徳本萌子さんにスタジオにお越しいただきました!


アーティスト・イン・レジデンス

お二人は、「粟島アーティストインレジデンス」という芸術家招聘プログラムで今年6月から粟島に滞在し、作品制作に取り組まれています。

粟島アーティストインレジデンスについて、お二人の制作の様子などはこちらをぜひ。

アーティストインレジデンスは、全国で行われている取り組みなんでしょうか。

徳本さん そうですね、私も茨城や奈良、国外だとフィンランドなど色々なところで滞在制作を行っています。一定期間、主には若手作家が中心となり、その土地に滞在して、制作過程も見せながら、作品を作っていくというプログラムです。

田中さん 僕は今年は、長崎の南島原に2カ月滞在しました。旅の延長が日常にかわるようなイメージですね。

旅人に憧れている(こけのほそ道を残したい??!)こけ枝さんも興味津々。そんなお二人にとって、粟島での暮らしは・・・

「島での暮らし」をうつした作品

滞在先で釣りをすることから制作が始まる、という田中さん。

田中さん 粟島は、魚が釣れすぎますね(笑)。38種類くらいになりましたが、みんなサイズが大きいんです。釣れたら、かたちをとって版画作品にして、魚自体は干物にするんですが、(大きいと作品も大きくなるので)寝る暇がないほどです。

創作活動はどのような流れで進めていくのでしょうか。

田中さん この作品は原寸サイズの紋甲イカです(上写真)。釣れたら版画を制作するのですが、(鮮度を保つために)下に氷を敷いて、木に写しとります。使うのは彫刻刀と、僕は「焼いて彫る」という技法も使っています。
魚を干物にする時は処理をして乾燥機で乾燥させて。
魚だけだと生きていけないので、できた干物と、他の物を島の方と交換するということもします。今日持ってきたのはおにぎりの版画ですが、これは島の方の作ったおにぎりで、干物と交換したものです。

田中さん 物々交換のおかげでおにぎり(の版画)も魚を上回る量になってきて、作品は100ほどになっています。そこから作品展(※後述)のタイトルを「粟島 干物百景」としました。干物を通して見える島の豊かな景色を版画にしたいと思って制作しています。

そしてなんとスタジオに干物を持ってきてくださったということで、物々交換、体験させてもらいます!
クーラーボックスから出てきたのは、真空パックされた真鯛とマアジ。日付や、サインが入っています。「作品と同じ気持ちで干物も作っている」という想いから!

日付・サインがそれぞれ右下に。

干物と交換で、筒井さんからは和三盆、こけ枝さんからはオリーブそうめんをお渡しします。

干物と和三盆を物々交換!

さきほどのおにぎり同様、これも版画になるんだそう!そうめんの版画・・・?どんな作品になるのか楽しみです!
循環するアート、粟島ならではの作品ができていっているんですね。

島のおかあさんと共に制作

徳本さんは、「移動する植物とミシン」をテーマに制作。

徳本さん 葉っぱをミシンで直接縫い込むことで現地の植物の形をのこす、という制作活動を行っています。「移動する」なので、過去の作品ではミシンカー(ミシンが搭載された車)というものもあったりして、ミシンで手芸をするというよりは、外にミシンを持ち出してみんなで輪になって制作をしたり・・・ミシンで(布などではなく)葉っぱだけを縫うというシンプルなことをしています。

何故「葉」を作品にしようと思ったのでしょうか。

徳本さん 葉っぱって土に還ったらなくなってしまいますよね。でも水に溶けるシートを使ってミシンで葉っぱを縫って(上写真)、水で(シートを)溶かすと糸と葉が残るのですが、(こうして作品にすることで)誰かの元に届いてその先も残っていくかもしれない。
葉っぱは不思議な存在。土に還った瞬間に「いのち」がなくなるとも思えないし、木から離れた時に無機物になるわけではない・・・いのちがあるものとないもの間を保ちながら存在している。
それが魅力的な素材だなと思って制作をしています。

使っているミシンは普通のものとは違うんですか?

徳本さん JUKIの職業用のミシンで、NASAで宇宙服を縫っているようなミシンと同じものですね。

スタジオには、粟島で実際制作している作品をお持ちいただきました。

一枚一枚の葉っぱを鳥の羽に見立てて、葉にはそれぞれ手刺繍が施されています。

徳本さん この刺繍は、粟島のお母さんたちの手によるものです。50歳くらい~88歳、10人ほどのチームで一緒に作りました。
木の実を運んでいる鳥です。
お母さんたちが、毎日来てくれるんですけど、輪になって座って「昨日こんなの作ってきたよ」「この辺は青色が足りないんじゃない」「この縫い方目立っていいね」と意見を出し合いながら制作しました。
目の部分にはシーグラス、葉っぱは粟島ではよく生垣に使用しているサンゴジュを使っています。

間近に迫る作品展

お二人の滞在制作もいよいよ佳境。作品のお披露目は、来週スタートです!

粟島アーティストインレジデンス2023
成果発表展

日時:2023年8月19日(土)~9月3日(日)
   13:00~17:00
場所:粟島芸術家村

※ワークショップ※
8月26日(土)、9月2日(土)
要予約。三豊市産業政策課までお電話にて。
    ☎ 0875-73-3012

会期中にはワークショップも開催。
田中さんは、木を焦がして木版画を作る体験、徳本さんは葉っぱに刺繍をしてブローチを作る体験が、それぞれできるそうです!両日とも定員がありますので、ご希望の方はぜひお早めにお申し込みを。
詳しくは前述の記事でご紹介しています!

刺繍のワークショップでは島のお母さん方も講師として来てくださるとのこと。お二人はもちろんのこと、島の皆さんとの交流も楽しみに、ぜひおでかけください。
最後にラジオをお聞きの方にメッセージをいただきました。

田中さん 展覧会ももちろん見ていただきたいのですが、釣り竿を持ってきていただいても大丈夫です。干物にしたい、という方は一緒にしましょう。
物々交換も、なんでもお待ちしています。

徳本さん (展覧会には)島のおじいちゃんおばあちゃんも集まってきてくださると思うので、ぜひみなさんと会ったり、おしゃべりしたりも楽しみに、ぜひ展覧会に来てください。

地域おこし協力隊、竹内さんも一緒に!

ご出演ありがとうございました!展覧会、楽しみです!

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毎月第1、2金曜日
14:00~ (Weekend shuttle内)
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