温かな想いを繋げ!粟島『明後日朝顔プロジェクト』
瀬戸内国際芸術祭2022 秋会期の舞台のひとつとなる三豊市粟島。現在、秋会期に向けて、準備が進められている粟島ですが、実は、瀬戸芸とは、また別の物語も動き出しています。
それは、粟島の『明後日朝顔プロジェクト』
『明後日朝顔プロジェクト』とは?
2003 年に新潟で開催された「大地の芸術祭 越後妻有トリエンナーレ」において、アーティスト・日比野克彦が新潟県十日町市莇平の 集落の住民たちと共に始めた朝顔を育てるかたちで始まったのが「明後日朝顔プロジェクト」です。朝顔の育成を通して、人と人、人とコミュニティ、そして地域と地域をつなぐプロジェクト。
このプロジェクトは全国に繋がり、広がり、2022年には28地域+1団体が参加しています。
粟島での明後日朝顔のはじまり
粟島での、明後日朝顔のプロジェクトのきっかけは、2019年、瀬戸芸でタネフネ船長の喜多直人さん粟島に来島されたことでした。
実はこのタネフネも、2003年の莇平で住民の方と朝顔のストーリーからはじまったプロジェクト。朝顔の種をよく見ると船の形に似ているところから発想し、自分では動けない種を色んな土地へ運んでくれる種ような船。こうして、種は船。タネフネの作品は誕生したのです。
喜多船長から、様々な土地の記憶を持つ明後日朝顔の話を聞いて、海ほたる隊の一人である田中さんは感銘をうけ、熱い熱い想いが生まれます。
粟島に記憶が沢山詰まった朝顔の花を咲かせたい!
粟島を朝顔でいっぱいにしたい!!
そこには、もうひとつ、海ほたる隊で出会った、仲間達や島のお母さんとの交流をこのまま終わらせてしまいたくない!という思いもありました。
1人の海ほたる隊員の想いから始まった粟島の明後日朝顔のストーリー。もちろん、1人だけの気持ちでは明後日朝顔のプロジェクトに参加することはできません。
明後日朝顔の想いと粟島でも明後日朝顔の花を開かせたい想いを伝え、海ほたる隊員の仲間や、島の母さんたちに賛同してもらい一致団結。粟島芸術家村にて、朝顔の生育が始まりました。
新型コロナウィルスで止まってしまった島の時間、そんな中で、、、
こうして、熱い想いが繋がり、粟島の明後日朝顔が動き出した矢先に、突然やってきたのが、新型コロナウィルスでした。
高齢者が多く、医療機関のない離島で、実質朝顔のお世話をしに通うことは不可能な状態。そんな中で、みんなの想いを背負い島民である佐藤さんが朝顔のお世話をし続けました。そして、2019年に譲り受けた種から、2020年、無事粟島で種の採取に成功!晴れて、2021年粟島は、公式の明後日朝顔の認定地域となります。
そして、2021年に行われた 明後日朝顔の全国会議に参加し、なんとキングオブ種に選ばれて1位に輝きます!
この時、選ばれたキングオブ種の名前は、コロナ渦の中、粟島でお世話をし続けた佐藤さんの名前から 『サトウの種』
粟島明後日朝顔への想い
タネフネが運んで来てくれた明後日朝顔の種。明後日朝顔の種が、タネフネと粟島を結び、そこで産まれた想いから、それはまた、繋がり、広がり、少しずつですが、着実にこの3年間で進んでいっています。
そして、また訪れた瀬戸内国際芸術祭の年。これからは明後日朝顔が、粟島に訪れてくれた人との繋がりも結んでいけたらと考えています。
粟島を訪れた方に、粟島でできた明後日朝顔の種を持って帰ってもらう。
明後日朝顔が花開き、綺麗だなって笑顔になる瞬間が広がる。花咲いたよ!って教えてくれる。種出来たよって、また粟島に訪れてくれる。
毎年毎年、咲く朝顔。当たり前のようで、当たり前ではないこと。みんなの記憶を、それぞれの土地の記憶を持った朝顔の種が、繋がった方の想いでまた花を咲かせ、笑顔を繋いで、繋がりを繋いで、そんな素敵な繋がりがこれからもどんどん広がっていくのを想像すると、胸があたたかくなります。
粟島の明後日朝顔のプロジェクトは
明後日朝顔を通して、人と人の交流。
笑顔の連鎖がここ粟島からどんどん広がって行く。そんなあたたかな繋がりを広げていくプロジェクト。
土地の記憶をもった種。
粟島明後日朝顔では、粟島に訪れた思い出記憶に繋がっていったら嬉しいです。と語ってくれたメンバーのみなさん
今後の明後日朝顔の展開は?
「毎年、明後日朝顔を育てていきたいと考えてます。
芸術家村の部屋の一部に明後日朝顔の展示スペースを瀬戸内国際芸術祭を目処に制作中です。
そちらの方も瀬戸芸で訪れる方に見てもらえば嬉しです。」
今は空っぽの教室。瀬戸芸の秋会期に合わせて、明後日朝顔の展示がなされる予定。
瀬戸芸の作品に合わせて、こちらもお見逃しなく!
どんな展示が出来上がったかは、またレポしたいと思います♪