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空き家の利活用を通じて地域の魅力を高めて伝える「空き家王子」となるまで 島田真吾さん(後編)

香川に移住する時に選んだ「不動産業」という仕事を通じて地域へのかかわりを深めながら、自分のやりたいことに取り組んでいく生き方を、引き続きお伺いします。

2018年から喜田建材で働き始めたんですね! どんな仕事から始まったんですか?

(島田さん)最初は、不動産売買の仲介業からでした。同じ不動産業でも、それまでやっていた「買取・再販事業」とは違い、買主さん・売主さんの間に立って、取引を安全且つスムーズに運ぶ役割の難しさや面白さを勉強していきました。
同時にゲストハウス運営事業や、「くらしの遊園地」というイベント運営も経験させてもらいました。

2019年のイベント時の様子

また、新たな取組みとしては、”空き家PROJECT”と題した企画の第一弾で、観音寺市のラーメン屋「伊吹いりこセンタ―」の案件でした。それまで、空き家をゲストハウスや住居にリノベーションするということをやっていましたが、空き家を飲食店にリノベーションしようという初の取り組みでした。

観音寺市の伊吹いりこセンター
いりこの産地、伊吹島へ行く港の目の前にあります!

ゲストハウス事業を通じて、この地域に来てくれる方から、食べに行けるところ、遊びに行けるところが少ないという意見を届いていたので、地域自体の新たな魅力あるスポットを作ることへの挑戦でもありました。

地域やお客さんへの想いのある店舗でのラーメン屋さんのスタートだったんですね?

(島田さん)喜田建材の想いに、三野町の人気ラーメン店の大将が共感して頂いたこともあり、味の監修やオープンのサポートをして頂きました。いりこの名産地でもある伊吹島へのフェリーが出る漁港の目の前で、いりこ出汁をたっぷり楽しめるラーメンをメインに、讃岐のいりこ文化を全国に広めたいという想いもありました。

開店から話題で、よく朝早くから行列ができていますよね!

(島田さん)不動産屋として現場監修をするつもりが・・・、スタッフの都合がつかない日は、朝早くからラーメン屋の手伝いに行くことが続いた時もありました! 今となってはいい経験です!

同時に、URASHIMA VILLAGEの土地探しも依頼されていました。

2021年1月に荘内半島にオープンしたゲストハウス「URASHIMA VILLAGE」 ですね!?

(島田さん)これまでの土地探しのやり方では、良い提案ができないと思い、自分なりに地域を走り回ることを始めた最初の大きな案件でした。

それまでとは違うやり方、どのように取り組んでいったのですか?

(島田さん)それまでの土地探しは、ネットで調べたり、集まってくる情報をお客さんにお届けするというものでした。でも、URASHIMA VILLAGEの依頼は、荘内半島で、かなりの広さと最高の景観を求められていましたので、最初に思ったのは「今ある情報の中には、条件があうものはない!」ということでした。これは、自分で探して、物件を作っていくしかないなと、がむしゃらに地域の中の土地を探し始めました。

どうやって探してまわったんですか?

(島田さん)ひたすら荘内半島を走って、土地の所有者さんを調べて、売ってもらえませんか?と交渉して周りました。

地域の方たちの反応、そして土地への手ごたえは?

(島田さん)売るつもりはないとか、先祖代々の土地だから売れないと言われたこともありました。

でも、誰にも相続出来ないからどうしようかと思ってたんよ、とか、誰に相談したらいいのかわからなかったので、というお声も多くあり、飛び込んでみてよかったと思ってもらえる出会いもたくさんありました。

最終的にURASHIMA VILLAGEの土地になった場所は、所有者さんが思い入れのある土地だということだったので、これからどういう風に使うのか、どんな影響があるのか、地域に起こる新しいプロジェクトの可能性を説明させてもらい、地域のためになることをご理解頂き、ご売却頂けることになりました。

干潮時だけ渡れる丸山島
URASHIMA VILLAGEからは目の前にこの景色が広がります

地道な調査を通じて、いい場所に出会うことができたんですね!

(島田さん)その頃から、空き家や空いている土地を見つけたら、地図にマークを打って自分だけのデータをまとめ始めていきました。

持ち歩ているタブレットには、土地に関する情報がいっぱい!!!

お~! 荘内半島にたくさんのピンが!そのデータはどのように使われるんですか?

(島田さん)家探し、土地探しをされる方は、みんな、その人たちなりの第一希望の想いがあるはずなんです。そして、今、土地を所有されている方でも、いいご縁があれば手放してもいいと思っている人もたくさんいます。そういうそれぞれの希望を、一番いい形でつなげられるようにという想いで、データを集めて、売りたい人、買いたい人、双方の希望にマッチできるように準備しています!

そう言った熱心な下調べをする姿勢から「空き家王子」と呼ばれるようになったのですね!そう呼ばれるまでの努力と想い、伝わります!!!
空き家王子が紹介してくれた土地にやってくるのが楽しみになります!

(島田さん)これからは不動産屋として人が集まれる場所を作っていけたらと考え始めたところです。
先日、URASHIMA VILLAGEがWOOD DESIGN賞を受賞しました。

運営メンバーで祝賀会があったのですが、僕も土地探しでプロジェクトに関わった一人として参加させてもらいました。地道に走り回って探した土地に、素晴らしい建物が建って、仲間もお客さんも喜んでくれている一つの結果を見た時に、「ただ単に不動産というハコを売っているのではなく、こういう時間や笑顔を売っているんだな」と感じました。

同時に、これから紹介していく不動産は、人が暮らす”場所”だけではなく、”居場所”となれるような提案までしたいと考えています。

不動産の持つ力を実感したんですね!具体的に、どんなことを考えているのですか?

(島田さん)地域内に、地域の人と、外の人が交われる拠点となる場所を作っていきたいなと考えています。
移住を考え始めた人に、「ここに住もう!」と決めてもらうのは、大きな決断だと思うんですね。その時に感じるいろんな不安。例えば、家、仕事、コミュニティーなどのハードルを、少しでも軽減できるような提案ができる場所をイメージしています。

例えば、お試し移住としてシェアハウスに短期滞在してもらい、少しずつどういった地域なのかを知ってもらいながら、地域の仕事やコミュニティーを紹介できる拠点になるような場所です。
同時にコーヒースタンドや、夜は軽くお酒を飲める様な飲食店を併設したりして、地域の人がフラッと寄れる場所を作りたいと考えています。

他にも、自分たちの住んでいる地域は、自分たちで面白くしたいという気持ちがあって、そういった取り組みをしやすい様にチャレンジショップのスペースも作り、夢を持った人たちがスタートアップしやすい地域になればいいなと思います。

楽しい場所が生まれそうですね!これまでの活動がぎゅっと形になる予感!

(島田さん)空き家問題も、違う視点から関わることで、解決できることもあると思うんです。
例えば、「空き家のゴミ処分が大変で売れない」という問題に対して、不用品・家具などをアップサイクルしてもう一度価値を見出し、販売することで、誰かの不用品が誰かの日用品になるとか。その結果、空き家のゴミが減って、空き家の流通が進む。みたいな形で、一つ一つ小さな問題から取り組みを進めていきたいです。

新しい場所が生まれるの、楽しみにしています!!!

最後になりますが、移住してきて、三豊の中で好きな時間どんな時ですか?

(島田さん)三豊のふとした日常の景色が、幻想的だな~と眺めてしまう時があります。本当に何てことない景色なんですけど、凪いだ瀬戸内海とか、稲穂が風に揺らいでいるのとかを見て、そういった日常の景色を良いなと感じられる心のゆとりができたと感じます。

仁尾町、瀬戸内海に面した父母ケ浜

東京にいた時は、”消費する”楽しみ方だったけれど、三豊に来てからは海で1日ゆっくり過ごすことに幸せを感じたり、出かければ知り合いがいるというホーム感みたいなところで三豊暮らしを満喫しています!

ありがとうございました!島田さんが感じている三豊の魅力を、またたくさんの方に伝えて、この地に来てくれる人たちをあたたかく迎え入れる場所が生み出されていきそうです♪

三豊暮らしに興味がある方、物件のご相談は「空き家王子」まで!
気持ちに寄り添う提案を、お届けしてくれますよ。

移住者メンバーいっぱいのDEMI1/2スタッフは、いつ行ってもいい雰囲気♪


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