フランスから三豊市に移住!農業を始めるうえでの苦労は? ジェロム・ルップさん(後編)
2015年に関西から三豊市へ移住したフランス人のジェロム・ルップさん。「洋菓子・焙煎珈琲グルマンディーズ」主人の齊藤洋三さんの娘婿として、現在は市内で農業を営んでいます。
前編では、どのような想いで日本へ、そして三豊へ来たのかを伺いました。後編では、実際に農業を取り組む時に感じたことや、
前編
https://note.com/mitoyocity/n/nd9dbdc1fde1d
齊藤さんに関してはこちらをご覧ください。
https://note.com/mitoyocity/n/n652e4e35713f
https://note.com/mitoyocity/n/n652e4e35713f
※本記事は2021年4月22日に旧・週刊みとよ ほんまモンRadio!(Seesaaブログ)で紹介した情報を再編集したものです。
いよいよ三豊へ! 自然とつながった農業への道
ー三豊へ移住したのはいつですか?
ジェロム:三豊へは2015年3月に移住しました。三豊の第一印象も、のんびりした空気感が合うし、自然体でいられるな~という感じでした!
語学の先生でもしようかなと思っていましたが、義父のお兄さんに畑を手伝ってと頼まれまして、初夏から夏にかけてシャインマスカット、秋には稲刈りを手伝いました。
これが思っていた以上にやりがいがあって、全部の出荷を終えた時に、農協のインターシップ制度に申込みに行きました。
ーいきなり農業への転身となったのですね!? どのように始まっていったのですか?
ジェロム:2016年春から1年間、シャインマスカットの師匠である矢野さんと、義父のお兄さんのところでインターンシップ制を使い研修をさせてもらいました。研修のよかったところは、それぞれの野菜、果物を育てるにあたっての違いを知れたことですね。
例えば野菜だと、比較的下を向いて作業することが多いんです。でも私が選んだシャインマスカットだと、上を向いている時間が長いんですね。どんな作業が得意か好きかなどを知ることができましたし、今メインにしてるシャインマスカットが、自分の気持ちや体に合っていることも理解できたので、すごく勉強になりました。
初めてのシャインマスカット出荷とこれから
ジェロム:自分のシャインマスカット畑を始めて、4年目の昨年2020年に、少しだけ収穫できたものを出荷しました。大々的に収穫して出荷するのは今年2021年が初めてになります。今年はゆっくりとつながりを作りながら出荷をしてみようと計画しています。
ー今年のシャインマスカットの収穫&出荷、楽しみにしています!!!他に育てているものはあるのですか?
ジェロム:米も作っています。これはぶどうを作るのに藁がいるから作っているんですけど、刈り取ったあとは『はぜかけ』をして、昔ながらのやり方でお米を干しています。
あとは、自分が食べたいものも作っています! クルミ、ヘーゼルナッツ、アメリカンチェリー、アンズ、レモン、すもも、いちじく、ベリー系など、いろいろ植えているところがあるのですが、あと2年くらいで収穫できるかなと思います。食べたいものを作った方が、楽しく続けられるかなと思って!
ーわ! いろんなものが収穫されるようになるの、楽しみですね!ちなみに、地域で農業を始めるにあたっての苦労はなかったですか?
ジェロム:私は、今年40歳になります。この地域で農業をしている中で、私の次に若い方は61歳、次が65歳なんです。なので、私がこの地域で農業をしますと入った時には、『若い人が来てくれて嬉しい!』という反応でした。畑の前を通る人たちが、みんなそれぞれの経験から声をかけてくれたり、サポートしてくれたりして、とてもあったかいです。
ー若手の期待の星ですね!!!
お話を聞いていると自然の流れで日本へたどり着き、そして農業をすることになったように聞こえるのですが、フランスのご家族の反応はどうだったのですか?
ジェロム:私のフランスの母や祖母は、びっくりしています。子どものころは畑が嫌いで、畑をしていた母たちを手伝うことのなかった私が、日本で農業をするなんて思っていなかったみたいですね。
でも、ものづくりが好きな父は、今、カフェの表にかかっている看板を手作りで作ってくれました。応援したい気持ちからみたいで嬉しいですね。
カフェでの役割は?
ーさて、ルップさんの「グルマンディーズ」での役割は何ですか!?
ジェロム:私が作ったシャインマスカットや果樹がケーキにも使われています。
そして、収穫が忙しくない時には、子守りを担当していますよ。
2017年に長女、2021年に長男が生まれ、4人で三豊へ来たのが、今は6人になりました。
ーお父さんのものづくりが好きなところを引き継いだのか、今は、ご自身の趣味を楽しむ時間もできたとか!?
ジェロム:今は、小さなフィギアで、いろんな世界観を作るのが趣味ですね! ものづくりしていたら、時間を忘れます!
ーお話を聞いていると、自然体でいたからこそ、日本へ、三豊へ、農業へたどり着いたんだなということが伝わり、今いる場所にいるべき人なんだなあと気持ちのいい話を聞かせていただきました!
一人一人のやりたいことが、4人での移住につながり、家族が増え6人となっていく物語の中で感じたのは、「自然体」! 美味しい珈琲、何度も食べたくなる優しいケーキ、あったかい接客、新鮮なフルーツやお米、それぞれが生まれたことも自然の流れで、だからこそ心地よい空間が生まれているんだろうなと感じました。
本日はありがとうございました。
洋菓子・焙煎珈琲 グルマンディーズの情報
住所:三豊市豊中町笠田笠岡町1631-5
電話:0875-24-8518
定休日:月曜日・火曜日
営業時間:水・木・金曜 午前9時~午後6時
:土・日・祝日 午前8時~午後6時