三豊のコーヒーを世界へ!海辺の珈琲研究所「豆豆豆」
香川県三豊市の話題をお届けしている「週刊みとよほんまモンRadio!」。
5月5日(金)のゲストは「海辺の珈琲研究所 豆豆豆」の建物設計管理を手掛けた、クリエイティブディレクター・建築家の平宅正人さんでした!
コーヒーを飲める、だけじゃない…!
4月15日、仁尾町、父母ヶ浜の目の前にOPENしたばかりの「海辺の珈琲研究所 豆豆豆」。まめ・まめ・まめ、と書いて「ずずず」と読むお店の名前、とてもユニークですよね!
プロジェクトメンバーの皆さんで店名を考えている時、「コーヒーをすする音ってずずず、だよね」「将来的に世界に向けても発信する時、音感で伝わるネーミングがいいよね」といった意見が出て、このネーミングに決まったそう!
そんな「海辺の珈琲研究所 豆豆豆」を、まずは平宅さんにご紹介いただきました。
平宅さん 三豊市にある、TKGリコという会社が運営しています。TKGリコさんは3年ほど前から、三豊市仁尾町で、国内では栽培が難しいとされているスペシャリティ珈琲になりうる品種「アラビカ種」という豆の栽培研究をされてきました。
このほど栽培方法の目処が立ったため、今後、三豊市内でコーヒー農園の拡大していこうという運びになりまして、その拠点施設として「豆豆豆」をOPENさせたという流れになります。
ーコーヒー豆が国内、どころか三豊市で栽培できるなんて!?
スタジオ一同驚きです。
平宅さん 夢みたいですよね。国産のアラビカ種の栽培はなかなか難しいらしく、研究をずっと続けてこられたということなんですけど、ようやくそれができるようになったということで。
これから、(来年以降提供する)三豊産コーヒーに親しんでもらうため、一般向けのコーヒースタンドを作って、加えてコーヒー豆の発酵の研究や、焙煎をするための施設、事業者向けにカッピング(香りを嗅ぎ分けて、品種を選ぶという工程)や打ち合わせをするための設備を整えたものが「海辺の珈琲研究所 豆豆豆」です。
ー単純に、コーヒーを飲めますよ、というだけではないということですね。お話にでてきた「発酵」というのは・・・
平宅さん 「コーヒーチェリー」と呼ばれる真っ赤な実がなるのですが、その中に種があって、これがコーヒー豆なんです。現在はコーヒー豆は輸入されてくるものがほとんどで、この「生豆(きまめ=焙煎する前のコーヒー豆)」は、発酵が終わった状態で輸入されてくるんですね。
発酵にもたくさんの過程があるんですが、三豊市で栽培からするということはつまり、同じ豆でも、様々な発酵プロセスを使って味を飲み比べることができる、まさに研究所、ということができるんです。
豆豆豆さんは日本独自のコーヒー、ジャパンブランドとしての発酵技術をつくりたいという想いから、麹菌や納豆菌といった、日本由来のものを使って発酵させていくということを考えています。
ー焙煎ももちろん「豆豆豆」でする、となるとますます味の種類が増えますよね。コーヒーの可能性がどんどん広がっていくお話です。それを飲み比べられるというのもまた魅力になりますね。
平宅さん 発酵技術自体は今後も研究を重ねていくので、味わえるコーヒー豆の種類、表情もどんどんかわっていくと思います。
デザインのキーワードは「旅」?
「海辺の珈琲研究所 豆豆豆」、場所は父母ヶ浜の目の前!
「かき氷ひむろ」さんから道沿いを観音寺方面に5分ほどで到着できる、絶好のロケーションに経っています。
建物もとても素敵ですが、どんなコンセプトで設計をされたのでしょうか。
平宅さん コーヒーは、豆の栽培から私たちのもとに届くまでものすごく長いプロセスと時間が必要です。それをイメージしながら「豊穣なる時間旅行」をコンセプトとして立て、デザインや材料を選びました。
建物の形状はシンプルな三角屋根(切妻屋根)に。これは世界中で人類が自然と共存するための建物の形として採用してきたもので、「時間」をイメージしてこれを採用しています。
また、伊吹島、蔦島も見通すことができる場所なので、建物の向きを考え大きな窓を開けて、夕日と共にその景色を眺められるような、そういう施設にしています。
ー絶景ですよね。解放的な空気感がお写真からも分かります。
平宅さん 本当に、とても気持ちいいです。
材料の選定も、「光と焙煎」をイメージしています。
光は目に届くまでに、途方もない時間がかかっていますよね。時間そのものだと思うので、光を反射する金属やガラスを使ったり、焙煎は燻したり焼いたりということなので、例えば焼杉を使ったり、土を焼成したレンガを使ったり、イメージが着想するものを使用しています。
ー飾られているアイテムなども素敵ですね。
平宅さん TKGリコの社長をされている筒井さんが、世界にジャパンブランドのコーヒーを届けるために、建物を船に見立てたいということで。
筒井さんが収集していらっしゃった船舶照明や操舵輪などの船舶にまつわるものをちりばめています。
まだまだ進化!研究所の目指す姿
ひとつひとつのデザインに、大きな想いが込められているのが伝わります。ぜひ足を運んでいただいた方に、じっくりそれを感じていただきたいですね。
最後にこれからの展開も伺います。
平宅さん まず建物は完成したのですが、9月(のオープン)を目指して、その奥の広大な敷地に、コーヒーを選別、洗浄、発酵する場所を整備している所です。
コーヒー農園も作っているのですが、アボカドやコショウのような日本ではなかなか作られていない珍しい品種を育てることのできる農園も作ります。
さらに来ていただいた方に心地よく過ごしていただくために、植栽整備もしています。いずれはヨガや瞑想もできる施設も整える予定です。
公園のような農園ができてそこに研究所が建って、という形にしたいですね。
現在営業しているコーヒースタンドは、10時~夕日が沈むSunsetまでオープン、火曜・水曜が定休日になっています。
コーヒーは、しばらくは世界のブレンドコーヒー、エスプレッソ、ラテを提供していまして、9月以降は、自家焙煎した世界中のコーヒー豆を提供する予定になっています。
ー楽しみにしています!ぜひラジオをお聞きのみなさんにも一言お願いします。
平宅さん 建物はできたんですが、これからどんどん整備が進んでいきます。コーヒーと一緒で、だんだん場所も植物も育っていくので、四季折々出会う景色がかわっていくと思います。ぜひ父母ヶ浜に足を運んでいただく度に、こちらの農園・研究所にも訪れてもらって、コーヒーを飲みながら景色を眺めていただけたら嬉しいです。
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海辺の珈琲研究所 豆豆豆(ずずず)
住所 三豊市仁尾町仁尾乙172-1
電話 0875-82-3777
定休日 火曜・水曜
営業時間 10:00~Sunset
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