三豊市に移住6年目で新規就農! 上田崇さん・恵美さん(後編)
ご夫妻で2015年、大阪より三豊市に移住された上田崇さん、恵美さん。移住から6年目を迎えた2020年の春より、海を見下ろすミカン畑が職場になりました!
後編では、三豊市での生活と、就農するまで、そして今の生活をお伝えします!
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※「本記事は2020年11月3日に旧・週刊みとよ ほんまモンRadio!(Seesaaブログ)で紹介した情報を転載したものです。
体が元気になり、家もでき、周りを見てみると・・・荒れ地がいっぱい!果樹を作れば、毎日食べ放題!?
恵美さん
三豊で暮らし始めたことで、体が動かなかったときがあったことが信じられないほど、元気になりました。あたたかく接してくれる方とたくさん会ううちに、心が満たされたんだと思います。そして、移住者仲間や、地元の友人もできてきました。
移住する前は、景色のいいところでのんびり暮らしたいなと思っていました。
でも、家ができて、落ち着いて周りを見てみると、荒れ放題の空いている畑がたくさんあるんですね。昔から果物が好きだったので、自分で果樹を育てたら、毎日食べ放題じゃん!と子どもみたいな発想から、果樹農家さんに興味が湧いてきました。
1年間学生へ、農業への第一歩
崇さん
農業を始めたいと思っても何もわからなかったので、まず市役所に相談に行きました。移住の時にも市役所にとてもお世話になっていたので、「困ったことがあったら、まず市役所へ」と思っています。
そこで教えてもらったのが、「農業大学校(以下、農大)」に通うこと。
新規就農で農地を借りたいなら、農大に行って研修を受けた方が貸してもらいやすいよとアドバイスされました。
農大に1年通うには、1年間、無職無収入で学生になる必要があります。迷った末、思い切って1年間、学生になることを決めました。
その1年の間に、少しずつ農作業になれ、外での仕事が苦にならない体づくりができたんだと思います。卒業時には、優秀生徒として表彰もされました。
畑はどうする?
恵美さん
主人が学校に通い始めましたが、貸してくれる畑の当ては全くありませんでした。
卒業も近くなり畑をさがしていたある日、突然、「あそこいいんじゃない!? ちょうど借りてくれる人を探している畑があるんや!」という話が! 持ち主さんは、「借りる人がいなかったら、山を捨てようと思っているんや」ということ。本当は農作業に慣れた方に貸したいけれど、捨てるくらいならと、「やってみいや」貸してくれることになりました。
それがこの海を見下ろすミカン畑です。
認定新規就農者としての手続き
崇さん
私たちは、本当にタイミングよく、とてもいい立地にあるミカンとビワの畑を借りることができました。でも、新規就農者がいい場所に畑を借りることは難しいと聞いたこともあるので、本当に運がよかったと思います。
畑は借りられるようになりましたが、そこからがまた大変でした。
新規就農者として補助や支援サポートを受けるためには、きっちりとした計画書を作らなければなりません。園地の使い方、お金の使い方、申請書類の準備など、聞いただけではわからないことがたくさんありましたが、この時も、とても親身になってくれる農協の職員さんに出会い、乗り切ることができました。
そして、2020年春から、海を見下ろすミカンとビワの畑での出荷が始められるようになりました。
農業第一歩
恵美さん
さっそく4月からできる仕事として教えてもらったのが、ビワの袋掛け。木に登って袋掛けをする作業は、最初は怖かったんですが、慣れてきたら楽しくなりました。木から降りても、船に乗っているみたいに体が揺れたりするんです。
5月下旬~6月のビワの出荷はたいへんでした。ビワの旬は短いので、2週間程度の短期決戦。朝6時から深夜2時頃まで、選果して、箱に詰めて、出荷をする日々が続きます。
出荷してみて、箱詰めの仕方、大きさや見た目の選び方など、他の方が出荷しているのを見て、少しずつ加減がわかってきました。やってみないとわからないことも多いなと感じました。
ミカン畑を前に、今思うこと
崇さん
9月中頃から、ミカンの出荷が始まりました。すでに出荷したものは糖度が高いと言っていただき、ほっとしています。
畑の土地も、農家としての経験も、何も持っていないゼロからのスタートでした。そんな中でしたから、困っていることや欲しいものを素直に伝えて、そこで起こることを受け入れて過ごしてきたら、いいご縁に恵まれてきました。
大阪にいたころは、周りの人なんて信用できないみたいな気持ちがありましたが、三豊で暮らすようになって、甘え上手になったと思います(笑)
まだまだチャレンジ!? これからのことは?
恵美さん
アスパラガスにも挑戦します。
みかん農家さんの中には、作業の時期がずれる作物としてアスパラガスを作っている方もおられます。アスパラガスはハウスで育てる必要があるので、「いいハウスはないかな?」と探していたところ、紹介してもらえました。
移住してから、家、仕事、畑と、決断のタイミングで、自分でこうしようと思うよりも、周りの方に声をかけてもらったことによって決めてきたものばかりです。本当に人のご縁に恵まれたおかげで豊かな三豊生活が送れています。
崇さん
会社員時代よりずっと働いていますね(笑)
農業は自分が手をかけたことや、畑でやったことが、すべて自分に返ってきます。
僕は、無職になる覚悟をもって農業に飛び込みました。そして今は、農家として経営者になりました。今は、自分でその日の作業内容や目標を決めて責任をとる覚悟が必要になりましたが、代わりに人間関係のストレスからは解放されましたね。
田舎暮らし、今の楽しみとコツを教えてください
恵美さん
夜、家から離れた畑に水やりに行くのですが、ナイトサファリを楽しんでます!イノシシ、たぬき、ウサギ、ハクビシン、いたち、きつね、フクロウなど、いろんな動物が出てくるんです! あとは、野草や山菜を撮りに行くことも楽しみの一つです。
崇さん
田舎で暮らすコツは、自分たちだけで何とかしようとせずに、「人に甘える」「人を頼る」ことかなと思います。困った時には、手を差し伸べてくれる方が出てきます。
田舎暮らしでは、人のつながりが何よりの財産ですね。
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自然体に地域の方との関係を作り、新たな夢を見つけていくお話、楽しく伺わせていただきました。
上田さんの作るミカンやアスパラを、楽しみにしています♪