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珈琲への熱い想い!三豊のカフェ「グルマンディーズ」の齊藤洋三さん(後編)

香川県の三豊市豊中町に2017年2月オープンした「洋菓子・焙煎珈琲 グルマンディーズ」。そのご主人である齊藤洋三さんがカフェを立ち上げた経緯を紹介する後編では、カフェのオープン前後から現在感じている想いを伺います。

前編はこちら。
https://note.com/mitoyocity/n/n652e4e35713f

※本記事は2021年4月20日に旧・週刊みとよ ほんまモンRadio!(Seesaaブログ)で紹介した情報を再編集したものです。

飲食業に感じた覚悟

ー娘さんとジェロム・ルップさん夫妻が2015年3月、一足先に三豊へIターンされましたね。齊藤さんは、どのタイミングで三豊へ戻られたのですか?

齊藤:2015年に会社を定年退職しました。その後、個別で相談いただいた仕事や、Uターンするためのいくつかの手続きなどもありましたので、すぐには三豊へは戻れませんでした。

私が珈琲を担当することが決まったので、今使っている焙煎機を扱っているメーカーさんのご縁で、珈琲焙煎の勉強を始めました。

ー昔から趣味で珈琲を淹れていたというから、最初からうまくいったのですか?

齊藤:初めて珈琲を焙煎した時、実は珈琲よりも機械の仕組みに目を奪われてしまって、ずっと焙煎機を見ていたんです。そしたら、気が付いた時には珈琲豆から煙がモクモクと出てきてしまって!!!

その豆をどうするのかなと思ってみていたら、メーカーの方は捨てるんですね。

それまで、『食べ物は捨ててはいけない』と教えられて育ってきましたから、お客さまに出すことができないものは捨てられるという現実に、衝撃を受けました。飲食業を始めるにあたり、覚悟をもって向き合わなければいけないと感じた最初の瞬間でした。

ーそんな経験もおありだったのですね! 「グルマンディーズ」を始めるための準備は順調に進んだのですか?

齊藤:最初は、妻の実家の納屋を改装しようかと思っていました。でも少しわかりにくい場所だったことや、駐車場の確保ができなかったので、その場所はやめました。

そしてすぐに、今の場所を使えることが決まりました。国道から少し中に入り、わかりやすいので、いい場所に縁があったなと思っています。

2017年にオープン!常に挑戦

2016年には、関西と三豊を行き来しながらカフェをオープンする準備をはじめました。

珈琲の勉強を続けながら、関西でのお仕事を一つずつ終わりにし、2016年秋には三豊へUターン。そして、着々と準備を始めていたカフェも完成し、2017年2月に「グルマンディーズ」がオープンしました。

ーカフェをオープンされていかがですか?

齊藤:ひっそりと過ごしたい方、にぎやかにしたい方、楽しみ方はお客様それぞれですが、常に居心地のいい空間を作り続けられるように意識していますね。

高松から1時間かけて、私の淹れる珈琲を楽しむためだけに来てくれる方がいて、そんなお気持ちを伺うと、気を抜けないって思います!

神戸でしっかり経験を積んでいた娘が作るケーキが美味しいのは当たり前なので、珈琲もおいしく淹れるために、ずっと挑戦ですね。


ー店内の一角に、珈琲焙煎機がありますね!?

齊藤:これは、新品でここに入った焙煎機です。使い始めて4年経ち、いい感じに機械に珈琲の油もなじんできて、『グルマンディーズ』のコーヒー豆を焙煎するための機械になってきました。

焙煎も慣れてきたので、少しゆったりと作業をする日もありますが、初めて焙煎する豆や扱いの難しい豆に向き合う時は、1人で静かに、焙煎機の中から聞こえてくる音に耳を傾けます。目で見えない世界なので、五感を使って珈琲豆に向き合いますね。

焙煎を始めて5~6年、やっと少し珈琲焙煎のことがわかってきたかなというところです。

ー齊藤さんの淹れてくれる珈琲は、私の言葉で表現するなら「まっすぐな味わい」ですね。

豆、焙煎、そしてこのカフェの空間すべてに真剣に向き合っているのが伝わってくる、深いおいしさを味わえる珈琲だと思います。

ロスを出さないことへのこだわり


ーグルマンディーズを続けるうえで、大切にしていることをお聞かせください。

齊藤:三豊で生まれ育ちましたが、学生時代の鳥取から始まり、会社員時代の東京、関西での生活を通じて、当たり前のものはないということを経験してきました。

三豊は環境もよく、ゆっくり過ごすにはとてもいい地ではありますが、文化的な刺激や、生活を真剣に考える厳しさを経験する機会が、少ない土地だなと感じています。

『グルマンディーズ』という場所で、カフェという文化の一つを伝えながら、いろいろな価値観を伝えて、話せる場所を作り続けていきたいですね。

もう一つ、ロスを出さないことですね。

多めに作っておくのではなく、終わりが来たら完売にすること! 

私は、どんどん物を作れば売れる昭和時代も経験しているので、作れば売れるという想いがありました。でも、どんなものも売れる量には限界があること、そして食べ物の場合、売れ残れば捨てるしかないということをプロ経験の長いパティシエの娘から教わりました。

この姿勢はこれからも変わることはないですね。

ーなるほど!

グルマンディーズのケーキは、フレッシュなフルーツを活かしたものや、丁寧に作られた定番のケーキがほどよく並んでいる意味がわかりました♪

齊藤:私の会社員時代を知る人は、雰囲気が柔らかくなったな!と、皆、言います。グルマンディーズができたことも、続けられているのも、すべてここにつながる人との出会いのおかげなんですね。

人に支えられて今がありますので、その気持ちを伝え続けられるこの場所で、まだまだがんばっていきたいと思っています。


ー珈琲をいただきながら、ゆっくり過ごす時間は、私にとってもかけがえのない時間です。

グルマンディーズがいつまでも地域で愛されるお店として、この地にあり続けてほしいです!


グルマンディーズは、Uターン&Iターンした家族4人それぞれが適役にはまり生まれた場所です。

齊藤さんは珈琲担当、奥様は接客担当、娘さんはケーキ担当・・・

そして4人目はというと、娘婿のフランス人ジェロム・ルップさん。

フランスから、日本へ、そして三豊へ!

どんな想いをもって三豊へ来たのか、そして、ジェロムさんの「適役」については、次のブログでご紹介させていただきます。

洋菓子・焙煎珈琲 グルマンディーズの情報

住所:三豊市豊中町笠田笠岡町1631-5
電話:0875-24-8518
定休日:月曜日・火曜日
営業時間:水・木・金曜 午前9時~午後6時
    :土・日・祝日 午前8時~午後6時

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