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地域の社会資源としての「こどもの居場所づくり」|三豊市社会福祉協議会

香川県三豊市の話題をお届けしている「週刊みとよほんまモンRadio!」
6/2(金)の放送では、三豊市社会福祉協議会の活動についてお聞きしました!

三豊市社会福祉協議会とは

スタジオにお越しいただいたのは、三豊市社会福祉協議会より、社会福祉士の上村早紀子さん
まずは社会福祉協議会とはどんな所なのか、教えてください!

上村さん 通称「社協」と呼ばれている社会福祉協議会は、市町村ごとにひとつ、47都道府県ごとにひとつ、全国規模のものがひとつ、設置されています。社会福祉法で『地域福祉の推進を図ることを目的とする団体』として位置づけられている営利を目的としない組織で、公共性の高い、福祉専門の民間団体といえます。
具体的には、福祉サービスや生活困窮者支援など地域の方からの相談を受けたり、ボランティアやサロン、老人クラブなど市民活動の支援、赤い羽根共同募金活動、災害時には災害ボランティアセンターの設置など、全国的な取り組みから地域の特性に応じた活動まで、さまざまな場面で地域の福祉活動に取り組んでいます。

ー一言で「社協」といっても様々な活動があるんですね!
上村さんが三豊市社会福祉協議会でお仕事をされるきっかけはなんだったのでしょうか。

上村さん それまで約15年間、病院の医療ソーシャルワーカーや、高齢者施設の相談員の仕事をしてきました。
子どもから高齢者まで、年齢や制度に縛られない地域福祉に関わる仕事がしたい、と思って7年前、社協に入りました。
今日は、私が現在主な活動として取り組んでいる「こどもの居場所づくり」についてお話させてもらえればと思います。

上村さん

地域でこどもたちの育ちを見守る

上村さん 三豊市社会福祉協議会では令和2年度から三豊市の受託を受け、「こどもの居場所づくり事業」に取り組んでいます、
現在13の団体が「こどもの居場所づくりネットワーク」に登録し、活動されています。NPO法人、ボランティア団体、有志の集まりなど様々です。
ひとり親や子育て世帯向けの食品配布会の開催、おすそ分け会、お弁当配布会を行ったり、タケノコ堀、農業体験、モノづくりなどの体験活動に取り組まれています。
また、最近では学習支援の必要性から、学生や市民の方のボランティア協力を得ながら取り組む団体もでてきています。

ーこどもの居場所づくり、というと「こども食堂」の活動がイメージとして浮かびましたが、それだけではないんですね。

上村さん こども食堂という言葉は社会でも広く知られるようになっています。
このこども食堂についても、当初は「食べられない子どものために」「虐待を受けている子どものための」というイメージも強かったようですが、徐々に利用する子は限定されず、地域の大人が地域のこどもの育ちの一助になろう。という位置づけにかわってきています。
地域のこどもの育ちを地域で支える、一つの手段として生まれてきた「地域の社会資源」と「こどもの居場所」が認識され、その役割が果たせるよう期待されています。
実際に私自身、「居場所」を訪問する中で、利用しているこどもたちの様子から、経済的には裕福であっても、様々なことを抱えていることが見えてきたということもあります。
自分では悩みがあると思っていなくても、「居場所」で学校や家族以外と話すことで、実は自分がつらかったことに気づき、吐き出すことができたというケースもありました。
普段から通っている「居場所」だからこそ、こどもたちの様子の違いに気づくこともあるのかなと思います。

地域でこどもたちを見守る「居場所」に
(写真提供:上村早紀子さん)

ーそういった場所が、安定して確保されている、というのも重要になってきますよね。

上村さん そうですね。昨日まで行っていたところが、資金などの問題で突然活動できなくなってしまうといったことが起こると、こどもたちも不安になってしまうので、社協としては、そんな「居場所」が安定して継続的に運営していけるようにサポートしていくことが大切な役割だと思っています。

これからの「地域」づくり

ここまでは、現在の社協の、そして地域の取り組みについてお聞きしてきました。続いては三豊市社会福祉協議会の、「未来に向けた」活動について伺います。

上村さん 三豊市社協では、住み慣れた地域で安心して生活していくための取り組みのひとつとして次世代の担い手育成にも取り組んでいます。
三豊市ボランティアセンターを設置し、ボランティア活動の紹介や講座の実施、福祉教育を目的とした出前講座を行っています。毎年夏には「夏休みチャレンジボランティア講座」を開催しています。これは夏休み中に、三豊市内でボランティア活動をしている団体に協力をいただき、三豊市内の中学生や三豊・観音寺地区の高校生がボランティアを体験する機会づくりを行うものです。
三豊市内にはたくさんのボランティアが活躍しています。それに実際に参加して、様々な人と出会い、福祉に対して「理解と関心を持つきっかけ」づくりができればと思っています。

活動を知ってもらうためのさまざまな取り組み
(資料提供:上村早紀子さん)

上村さん これまでに参加した学生からは、「福祉に関わることをしたい」「気を付けた方がいいことやいろんな人がいていろんな考えがあることを知った」「たくさん準備をしてボランティアに参加するべきだと思った」「はじめは少し緊張したけど、途中からはたくさん話せて、初めて会う人と話すことに少し慣れた」などの意見が聞かれました。

ー学生さんたちの様々な声、頼もしいですね!実際に体験するところから、理解も進んでいくのかなと感じますが、上村さんご自身は、そういった学生時代の活動や経験の大切さは実感としてありますか?

上村さん 福祉系の大学に通っていたので、ボランティアなどに参加したことで就職先を選んだり、そして大人になった今、あの体験はこういう目的でされてたんだなと見えてくるものもあります。
こどもに関することをテーマに卒業論文を書いたので、医療機関など、一旦は離れていましたが、巡り巡って、福祉を目指した当初にやりたいなと思っていた活動に戻ってきたかな、という想いがありますね。
そういう中で今、仕事をしていて、日々経験を積んで力をつけていくというのが大切だな、生涯勉強だなと思っています。

ーぜひラジオをお聞きの方に伝えたいことがあれば、お願いします。

上村さん こどもの居場所は民間発の自主的・自発的な取り組みで、運営を支援する公的な制度などが整備されていないのが現状です、そのため、皆さんのあたたかいご支援のもと、成り立っています。三豊市社協では、お米、調味料などの食材や、学用品などの物品の寄付の他、活動場所の提供、子どもたちの見守りや学習支援などのボランティア、安定した運営を応援するための金銭的ご寄付を随時募集しています。
地域の中で「こどもの居場所」が継続して運営できるようご理解とご協力をお願いします。

ぜひ興味のある方は、三豊市のこども居場所づくり事業についてのWEBページをご覧になってみてください!具体的にどんな応援ができるのか、どのような活動をしているのかなど、詳しくご覧いただけます。

最後にすすす、と何かを差し出す上村さん。
上村さん これは高瀬のお土産です。今日、ラジオに出るというお話をしたら、篠原菓子舗さんがぜひこけ枝さんにと。預かってまいりました。ぜひ!

こけ枝さんの地元、高瀬町から粋なサプライズ。こけ枝さん、筒井さんもこの笑顔。

上村さん、ご出演ありがとうございました!

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