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仁尾興産(後編) 生きる力を感じる、高橋寛栄さんの言葉

前回ご紹介した三豊市で101年続く会社、「仁尾興産株式会社」。インタビューした高橋寛栄さんは、30年近くのキャリアを通じた、生きる力を感じる言葉がたくさんありました。ほんまモンレポーターさくらが素敵だなと思った言葉を、まとめました!

※「本記事は2020年9月22日に旧・週刊みとよ ほんまモンRadio!(Seesaaブログ)で紹介した情報を転載したものです。

↓前編はこちら


○学び続けること

会社のお話を伺う中で、高橋さんが一つずつの事業に、前向きに成長しながら取り組んできたことが、とても伝わりました! 

「私が入社した30年前は、女性が会社の中心となって働く時代ではありませんでしたので、大変なこともありました。『意見、すな!』と讃岐弁で怒鳴られることもしょっちゅうでした。それでも、少しずつ書類作成などから仕事を覚えて、宅地建物取引士の資格も取得しました。」

「資格を取ったからと言って、すぐに信用されないんですね。女性だからという理由で、責任者としてみてもらえなかったこともあります。ちょっとあいまいなお返事をしてしまった時に『おたく、プロやろ!』と怒鳴られたことで、甘えは許されないと学びましたね。」

「不動産事業に関わっていた時は、扱う金額が大きいので、一つ一つ、確実に伝えるために勉強を続けていた結果、ファイナンシャルプランナー、住宅ローンアドバイザーなどお客さんのためになるならとたくさんの資格も取得しました。」

○ユニークであること、アイディア満載であること

昨日ご紹介させてもらった、仁尾興産の社内制度の数々、社員の方のことをすごく考えられているなと思いましたし、ユニークだなと思うものもたくさんありました。
新しいアイディアを考えるときに、意識していることはありますか?

「社内の制度を作るときに、ちょっとユーモアを取り入れて、社員みんなが楽しく続けられるようにということにはこだわってきました。」

「社内の労働組合的な会の名称が『サン・ナゼール』にしようと決まりました。仲間との話し合いの時に『○○さん、なぜですか?』とお互いの意見を聞きながら会が運営できたらいいなと考えていました。そんな時に、ふと、世界地図を見ていたら、フランスのとある町、しかも地形の成り立ちが仁尾ととても似ている町の名前が「サン・ナゼール」だったんです。
『○○さん、なぜ?』の『サンナゼ』と、地名の『サン・ナゼール』! これにはびっくりして、この会の名前は、『サン・ナゼール』しかないと決めました。」

なんと、嘘のようなびっくりな話!!! 会社をおもしろくしたいという熱い想いが生み出した産物ですね。こうして、一つのシステムを作るためにも、ユニークさとアイディアを持ち続けてチャレンジされてきました。

○自分で考えて、行動して、責任を持つこと

チャレンジ的な新しい仕事が多い会社の中で、どのように自分なりのやり方を見つけて行ったんですか?

「どんな仕事も、まずはいろいろとやってみるしかないんですよ。不動産をしていた時には、休みの日に、自ら草刈りに行ったこともありました。誰が来るかわからない日に、テントを張って分譲地見学会をやってみたこともあります。一見すると無駄なことかもしれないけれど、必ず見ていてくれる人はいて、思いもかけないところから結果が生まれることもありました。その経験から、『それは無駄だよ』とか、効率を優先するようなことを言う人の言葉など聞かずに、自分で考えて、行動して、責任を持つ。そうやって納得して学ぶことが大事だなと経験しましたね。」

○チャレンジすること

へこたれそうになることはなかったんですか?

「失敗は前進なんです! 選択肢がたくさんある中で、失敗をしてしまえば、その選択肢がなくなって、残っている中からやるべきことが見えてくることがあります。」

創業者の塩田忠左衛門像(左)、正面は「カフェにがり衛門」の入り口

○断る勇気を持つこと

仕事にまい進する日々の中で、変化を感じることはありましたか?

「仕事はできるようになってきましたが、ある日、自分の時間を犠牲にして、働き過ぎていることに気が付いた瞬間がありました。このままではだめになると思って、会社専用の携帯電話を持たせてもらって、土日や夜間は電話に出ないようにしました。それまでは、電話に出なかったり断ったりしたら、お客さんがいなくなるかもという不安があったんですね。でも、本当にこの不動産が欲しいと思っている人からはきちんと連絡は来るんです。その経験をしてからは、後輩たちにも『断る勇気をもって』と伝えられるようになりました。」

○熱く生きること

子育てをしながら働いていた時期もあったとのことですが、どうやって乗り切ってきましたか?

「子育て中は、残業ができないですよね! なので、すべての仕事に目標を見つけて、無駄なく効率よくやることを日々考えてました。例えば、お茶を淹れるにしても、『どうやったらおいしく淹れられるか?』とか、コピー1枚でも『どうやってきれいにとるか?』とかの目標を立てながら、楽しく効率よく、そして、大げさかもしれませんが、命を懸けてやっていましたね。そんなんでしたから、仕事能力、すごく上がったと思います。」

実は高橋さん、これだけの業務をこなし、資格も取得しながら、さらに趣味の演劇も続けてきました。

「子どもが寝た後、9時くらいから高松へ演劇の稽古に行って、深夜に帰って来るような生活を続けていました。これも続けたかったことなので、頑張ってましたね。
何でも一生懸命で、たまに周りからも熱すぎると言われます。」

品のいいオフィスウエアに身を包む高橋さん。優しく落ち着いた雰囲気・・・と思いきや、笑いあふれるエピソードとともに話してくれるパワフルなお話の数々に、取材中も、びっくりしたり、笑い転げたりするほど!
 
でも、お客さんのために、会社のために、そして自分のためにどんな時も命を懸けて頑張ってきたお話は、胸が熱くなりました。こんなに熱くて一生懸命な高橋さんの元でなら、突飛に見えるアイディアも、とびぬけた自由さも、飛び出していきそうな行動力も、許されそうです!

仁尾興産株式会社
住 所:三豊市仁尾町仁尾辛1番地
電 話:0875-82-3456
公式HP:http://www.navio.ne.jp/aboutus.html

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