
粟島芸術家村3年ぶりに開校!島民との交流から生まれるアートに期待。
粟島芸術家村入村式が行われました
2022年は3年に一度の瀬戸内国際芸術祭。各地で盛り上がりを見せています。

秋会場のひとつにもなっている三豊市粟島では、『粟島芸術家村(粟島アーティスト・イン・レジデンス(粟島AIR))』がいよいよ開校!秋会期に向けてアーティストたちの制作が始まります。
粟島芸術家村とは?
粟島芸術家村は、若手芸術家の滞在型育成プロジェクト。若手芸術家の創作活動を支援するとともに、地域の人々との交流を通じて、文化芸術による地域の活性化を目的としています。2010年より、毎年多くのアーティストが訪れ、島の方たちと交流しながら、創作活動を行って、粟島ならではの作品を産み出してきました。


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今回のアーティストは「佐藤悠」さんと「森ナナ」さん
コロナの影響で今年は実に3年ぶりの入村式。
式場には新たなアーティストを迎い入れるために、たくさんの島民の方が集まっていました。島民たっての希望で芸術家村の校長にも就任されている、ディレクターの日比野克彦さん。すでに旧知の仲になっている島民の方は温かなお帰りなさいムードです。入村式は島民と、アーティストの温かな掛け合いや、笑顔に溢れ、終始和やかな雰囲気が流れていました。


今回の参加アーティストは佐藤悠さんと森ナナさんのお2人。
佐藤悠さんはコミュニケーションを中心とするアートを得意としていて、これまでも大地の芸術祭など、地域に入った制作活動の経験もあります。
コロナ禍の中でオンラインの活動が続いていて、今回の粟島では「実際に手を動かしたい。」という気持ちが大きくなっているそうで、島民の方たちとのコミュニケーションの中でどんなイメージが生まれるのか楽しみにされているようです。

一方の森ナナさんは書家。
書道家のお父様をもち、幼い頃から書に触れ合ってきた彼女。一度は書に反発し、東京藝術大学入学当時は全く違う表現を選択していましたが、いつしか書の世界に戻り、墨と筆を使った創作活動に一心に向き合ってきました。
彼女は、コロナ禍の中で書道の材料が手に入りにくくなったことをきっかけに、材料にまで意識が向くように。
今回のようにじっくりと一つの地域に滞在して制作することは初めての経験で、自分に向き合う「書」がこの島での滞在でどう変化していくのか、とても楽しみにされているそうです。


共生と共創。これから変化し産み出されるものとは
日比野校長からは、
困難の時代。しかし、困難は進化のきっかけです。
粟島には、迎え受け入れてくれる気質と、一緒に楽しんでいく気持ちが土壌にある。
ものを作る、想像することが人生を豊かにしていく。生きる力になる。
粟島の活動はそれを実証していると思っています。
ここから、島を、日本を豊かににていきましょう。
コミュニケーションと書道家。全く性質の異なる、美術界でも異色のアーティストのお二人。
2人とも島の人たちの境界のない温かな歓迎にびっくり。すでに来る前とはイメージがずいぶん変わってきたそう。
粟島芸術家村は何より4ヶ月という長い滞在の中で島民の方と共生し、共創する。作家自身がこの地から影響を受け、変化し、そうして生み出される作品の魅力が醍醐味。
これまで資料で見ていたのとは全く違う島の空気感に実際に触れて、
これからこの粟島での生活の中で、何を感じ、どんな作品が、産み出されていくのか楽しみです。

粟島芸術家村